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いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る

第9章 藍影の想い…


既に用意してある飾りだけの食事…
形だけでも酒を酌み交わし…
愛想笑い…語り合い…その後は…


床の上で身体を重ね…無言で語り合う…


俺は頼と文には飾りだけの食事を
自分より先に与えた…
ただ…俺の好物…肴だけは
取っておくように伝えた…

頼と文は、まだ幼い…育ち盛りだ…

姐さんが俺に、してくれた様に…

嬉しかったから…
嬉しい事は…頼と文にしてあげたい…




客「あっ、藍影様ぁ…上の空ですね…」

藍影「はぁ?
テメェ今、何て言ったか?
俺の事は【若】と呼べやっ!!」

客「若ぁ…申し訳ないですぅ……」

アイツにも直接、
呼ばれた事ねぇのに…

藍影「あと…声を押し殺せ…」

俺は耳許で囁いた…

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