いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第11章 幾月が経ち…
藍は…何時ものように屋根の上で
煙管を吹かしていた…
藍は紅の部屋の窓の外から
声をかける…
やっと、この名を呼べる…
ただ…名を呼ぶだけなのに…
脈が速くなる…
藍「紅…迎えに来たよ…」
窓が開き…
この世で一番、愛おしい人…
紅「藍…やっと…
おいらの名を呼んでくれたね…」
紅は藍に抱き付く…
藍「安心するのは、まだ早いよ…」
藍は紅を優しく抱き締めた…
頼「それでは、お二人とも、お幸せに…
今まで御世話になりました…」
藍「はぁ?何、言ってやがんだぁ?
お前らも一緒に行くんだよっ!!
必要な物だけ持って逃げんぞっ!!」
文「えっ!?私達も一緒に逃げたら
足手まといですよっ!!」
薬「そうですよっ!!私達の事は
構わず、お逃げ下さいっ!!」
武「おいらは男だから逃げねぇぞっ!!」