いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第11章 幾月が経ち…
紅と藍は四人の子供達を連れて…
暗闇の中…月明かりだけが頼り…
外の風は少し冷たく感じるが…
身体は火照っている…
武「何で、おいら達に
そんなに優しくしてくれるんだよっ!!
ガキは嫌いじゃなかったのかよっ!!」
藍「俺はガキは嫌いだが…
紅は、お前らの事が好きだから…
お前らを置いていったら…
紅が悲しむだろ…」
藍は事前に…土産物屋の亭主と女将に
大判を渡し…
情報収集と口止め料を渡しておいた…
小舟で島を離れ…隣島へ…
街一番の宿の裏路地へ…
藍「此処で、お前らとは、お別れだ…
お前らは今夜から、
この宿に引き取って貰う…」
薬「えっ…!?」
頼「藍様と紅様は…」
藍「お前らが居ると…
正直…足手まといなんだよ…」
文「…分かりました…」