いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第12章 二人だけの刻…
紅「おいらも藍に…抱かれたい…」
藍「本当に?俺…まだ…
機嫌、直ってないよ…?」
紅「えっ…?」
藍「もう忘れた?
俺に抱かれてんのに
他の客の話をしただろ?」
紅「あっ…それは…すまない…」
藍「折角、紅の身体を労って優しく
抱いてやろうと思ったけど…
悔いのないように…愛し合おうかな?
そしたら俺の機嫌も直るかもね…」
紅「えっ…?」
藍「紅を…
独りだけでは逝かせないよ…
安心して…俺も一緒に逝くから…」
紅は頬を染め…
藍は紅の身体中に…染みを…付けた…
火照った身体に汗ばむ肌…
衣の擦れる音に…
ふたりの吐息に息づかい…
それは刻と共に冷えゆく…体温…