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いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る

第12章 二人だけの刻…


その島は…

愛之島…   哀之島…

逢之島…   藍之島…

と色んな異名を名付けられ…

観光地として名を馳せた…


当然、四人の子供達にも、
その噂は耳に入り…

その日は不幸中の幸いで…

宿の外は雨…客の出入りも少なく…
その日だけ偶然にも薮入り…


まるで紅様と藍様が
そうさせたかのように…


四人の子供達は泣いた…
雨の音に紛れて…


 《何があっても…動揺するな…》

  《アンタ達は生きてね…》

そう聞こえたような気がした…

文「私達…どうしたら良いの…?」

薬「もう…逢えないの…?」

武「知らねぇよっ!!おいらに聞くなっ」

頼「墓参りには、まだ行かないっ!!
折角、貰った命だっ!!」

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