いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第14章 時は流れ…【朔夜】【紅】
紅《ねぇ…おいら…名を名乗ったよ…
貴方の名前は何て言うの…?》
朔夜「…朔夜…だよ…」
紅《朔夜…かぁ…良い名だねぇ…》
朔夜「つーか、何で耳塞いでんのに
聞こえるんだよっ!!」
紅《ふふふっ…それは…内緒♪》
朔夜「あっそう…おやすみ…」
紅《あっ、ちょ、ちょっと…嘘だよぉ》
朔夜「…………」
紅《朔夜の頭の中で
話し掛けてるから…耳を塞いでも
意味ないんだよ…》
朔夜「じゃあ起きたら
話し掛けんなよっ!!」
紅《それは出来ないよぉ…
朔夜を待ってる人が居るんだよ…
だから…準備して早く、
おいらと一緒に行こうっ!!》
めっちゃ…怪しいんだけど…
紅《怪しくないよ…おいら再び…
しょんぼりしちゃうな…》
えっ…?俺の心の声…聞こえてんの?
紅《…………聞こえてない…》