いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第15章 時は流れ…【朱花】【藍】
僕は諦めて…起きる事にした…
藍《やっと起きてきたな…》
起きたよ…
藍《ん?朱花は俺に心の声で
話し掛けてるのか?》
そうだよ…
独り言、言ってるみたいじゃん…
それで…何で僕を起こしたの?
藍《その…ちょっと…
大切な人に…逢いたくて…》
ふぅん…その人って藍の恋人?
藍《…まぁな…》
分かったよ…何処に行けば良いの?
藍《最近、朱花が行ってない場所の
天辺に行って欲しいんだ》
最近、行ってない場所…学校…?
天辺って言ったら…屋上かな…?
よしっ!!藍っ!!僕に任せてっ!!
恋人に逢いに行くんでしょっ!!
善は急げっ!!
藍《おいっ…ちょっと待てっ!!
そのままの格好で行くのか?》
そうだよ?何か問題でも?
紅《おおありだっ!!だって…
甚平姿で…裏返して着て…》
あっ…たまに裏返して着るんだよ…
別に良いじゃん…