いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第16章 想いを馳せる…紅と藍…
朔夜は学校の裏のフェンスを
乗り越えたと同時に…
朱花「痛ぁい…ぐすん…」
朱花もフェンスを
乗り越えようとしたら着地失敗…
ワザとじゃないのに…
朔夜「…………………」
(誰だよっ…コイツ…どんくせぇし…
泣き虫……んっ?待てよっ!?)
朱花は振り向き…
朔夜の方を見ていた…
朔夜「…………………」
(口許に小さな黒子ありっ!!
間違いねぇっ!!コイツだっ!!)
朱花「…………………」
(は、恥ずかしい所を見られちゃった…
しかも目が合ってしまって…
…目を逸らしづらいっ!!)
朔夜「大丈夫か?お前…
どんくせぇなぁ…しかも…泣き虫?」
朔夜は手を朱花の方に手を差し伸べた
朱花「うん…よく言われる…」
(あっ…
優しく微笑むと八重歯が少し見えた…
この人に間違いない…)