いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第16章 想いを馳せる…紅と藍…
朱花は朔夜の
手を掴んで立とうとしたら…
腰が抜けて…ストンっ!!と地べたに
座り込んでしまった…
朔夜「ははっ…腰が抜けたのか?」
朱花「うん…そうみたい…」
朱花は…しょんぼりしていた…
朔夜「…ほらっ…」
(しょんぼり…って可愛いじゃんかっ!!)
朔夜は思わず…頬を染め…
視線を逸らしてしまった…
朱花「えっ…何っ!?」
朔夜は朱花に背中を向けて
しゃがみ込んでいた…
朔夜「おんぶだけど…?」
朱花「えっ…恥ずかしいよぉ…」
朔夜「俺の方が恥ずかしいんだけど…」
朱花「あっ…そうだよね…」
朱花は朔夜の背中に、おんぶされ…
朔夜「…もしかして…
屋上に行きたいの…?」