いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第16章 想いを馳せる…紅と藍…
紅《ちょっとぉ…ふたりの世界に
入らないでくれるかい?
おいら達…しょんぼりしちゃうよ…》
藍《紅…コイツらの事は放っておこう…
それより…紅…やっと見つけた…
待たせて悪かったな…》
紅《…おいらは藍に逢えて…嬉しい…》
紅と藍は…寄り添い…
藍《朔夜…朱花の事を宜しく頼むよ…
紅の夢は太夫になる事だったが…
叶えられずにいた…
あと…俺達は前世では
愛し足りなかったから…
今世でも来世でも朱花の事を
愛して欲しい…朱花を護って欲しい…》
紅《朱花…朔夜は藍に似て…きっと
朱花には優しくしてくれるから…
安心して夢を叶えて…
朔夜が朱花に自信を与えてくれるよ…
朔夜…恩に着るよ…》
それだけ言い残すと…
紅と藍の気配は声と共に消え去り…
夢でも見ていた感覚に陥ってた…