いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第17章 希望…朔夜と朱花…
朱花「えっ…それは無理だよっ…
僕…どんくさいし…泣き虫で…」
朔夜「すぐ…しょんぼりするから?」
朱花「えっ…もぅ…朔夜…意外に
意地悪だなぁ!!朔夜は僕に優しいって…
紅は言ってたのに…」
朔夜「えっ…?あぁ…それは…」
朱花「まぁ…いいや…
でも…まだ…自信がないんだ…それに…」
朔夜「それに…?」
朱花「舞踊家の先輩から…
"朱花には色気がない"って
言われるんだ…」
朔夜「なぁんだ…そんな事か…
その先輩には悪いけど…朱花には…
充分…色気があると思うよ…」
朱花「えっ…!?ちょっ…ちょっと…
なにするの…?」
(朔夜の顔が近いよっ!!)
朔夜「ほらっ!!
猫背を直して…背筋を伸ばすっ!!
俯かないで前を見るっ!!
そして前髪を少し…かき上げて…
口許の小さな黒子を武器にしてっ!!」