いつか、絶望の底から救い出して…
第8章 閉ざした心
「とりあえず部屋も片付いたことやし、メシ食おうか?」
「はい……」
アタシはベッドから立ち上がるとリビングに向かった。
ダイニングテーブルには城戸さんが買ってきた寿司が置かれていた。
しかも結構高いやつだ。
「き、城戸さんコレ……」
「ああ、真奈加ちゃんと一緒に食べようと思ったんや」
そう言って城戸さんはニコッと微笑む。
柔和な笑みに、アタシの胸があたたかくなった。
ああ、アタシ、この人の笑顔好きだなぁ……
「ありがとうございます……」
アタシはお礼を言うと、席についた。
遅れて城戸さんも席に着く。
横にはビールが置かれていた。
「ほな、食べようか」
「はい」
「「いただきます」」
アタシ達は手を合わせると寿司を食べ始めた。
マグロ、サーモン、イカと、好きなネタを食べながら城戸さんを見つめる。
「ん?どないしたん?」
城戸さんがアタシの視線に気づいた。
小恥ずかしくなり、視線を下に向ける。
「あ、いえ、城戸さんは辛い、消えたい、って思った時、どうやって乗り越えましたか?」
アタシは思い切って、城戸さんに聞いてみることにした。
どうしても聞きたかった。
彼がどうやって、この苦しみを乗り越えたのかを……
「真奈加ちゃん……」
アタシの言葉に、城戸さんは少し驚いたように目を見開いた。