
いつか、絶望の底から救い出して…
第10章 佐久良舞希①
「わっ!ビックリした〜」
そこには点滴に繋がれながら本を読む父さんがいた。
顔色は少し悪いけど、見たところ元気そうだ。
隣には母さんがいる。
母さんは泣いていた。
対する父さんは元気そうだ。
「どうしたよ?お前ら、そんなに慌てて」
「父さん血を吐いたって……!」
「あーアレ、トマトジュース。飲んでてぐはっ!って吐いただけだよ〜大袈裟だなぁ〜」
父さんはそう言いながら苦笑いを浮かべた。
対する母さんは泣いている。
「ほら、舞衣、子供達の前だぞー泣くなよ〜」
父さんがそう言って、母さんの頭を優しく叩く。
母さんはグスグスと泣いていた。
