
いつか、絶望の底から救い出して…
第10章 佐久良舞希①
「わ、わかりました……とりあえず、もう、帰りますね!舞希君はどうしたら……」
『すみません……病院に舞希を連れてきてくれますか?本当にすみません……』
母さんの声はひどく泣いていた。
それもそうだろう。
父さんが病気なんだから……
「舞希君、とりあえず、病院行こうか……」
「はい」
園田さんの言葉に、俺は頷いた。
「わかりました。とりあえず今から舞希を病院に送ります」
『お願いします……!』
「舞希君のお母さん気を確かに持ってください」
そう言うと、園田さんは電話を切った。
