
いつか、絶望の底から救い出して…
第10章 佐久良舞希①
とりあえず、俺たちは病院に向かった。
予約していたアトラクションは取りやめ、一目散に車に乗り込んだ。
父さんがあんな状態だ。
遊んでなんか居られない。
幸いここから病院までは一時間も掛からない。
俺たちは祈るように病院に向かった。
どうか、死なないでくれ父さん──!
一分一秒が長く感じた。
どれぐらい走ったのだろう。
車はようやく病院に着いた。
「舞希君!行こ!」
園田さんが車を止め、俺を後ろから抱き下ろす。
悠喜も一緒に降りてきた。
急いで受付へと向かう。
バタバタする俺たちに、受付は嫌そうに眉根を寄せた。
