いつか、絶望の底から救い出して…
第3章 亀裂
「え?やだ?何…?」
「やだ…喧嘩よ…」
「うわ…やばいじゃん…」
その怒号に、テラスに居た客達がこっちを向く。
その目は好奇心と、喧嘩に対する不安が垣間見えた。
「すみません…」
騒いでしまったことに謝りながら、えりなに目線を向ける。
えりなは何かを感じ取ったのか、小さく頷くと、さりな達に話し始めた。
「真奈加がやった事は謝る…お金じゃ解決する問題じゃないってわかってる…もちろん真奈加にも謝ってもらう…二人がどれだけその雑誌を大切にしてるのかも分かる…だから…今回は真奈加を許してくれないかな…?」
「えりな……」
えりなの言葉に、先程まで怒っていたさりなと真由香が冷静になる。