いつか、絶望の底から救い出して…
第3章 亀裂
どれだけ時間が経ったんだろう──
「もういいよ…怒っても雑誌が戻るワケじゃ無いし…」
頭上からさりなの諦めたような声が降って来た。
その声にアタシは急いで顔を上げる。目の前には私を睨みつけているさりなと真由香…
その表情からわかるように、未だに怒っていることが垣間見える。
そりゃそうだよね…雑誌破られたんだから…
とりあえずお金は渡さないと…
「ごめん…コレ、お金…雑誌代。こんなんじゃ許されないって分かってるけど…」
そう言いながらアタシは財布から雑誌代490円を取り出すと、テーブルへと置いた。
チャリンとお金の音が辺りに響く──
「もういいよ…次したらマジで許さないから…」
「うん……分かった…」
「この雑誌、もう売ってないから…」
さりなはそう言うと、テーブルに置かれた490円を受け取ると、財布へと入れた。