いつか、絶望の底から救い出して…
第4章 Mの絵
通行人達が次々と足を止めてMVを見る。
カップルから学生、大学生とさまざまな人達がMVを食い入るように見つめている。
「Mって本当に謎だよね?クレジットだけだし?」
「ほんまにな〜Mしかわからないし出身地も年齢も不明」
「なんかミステリアスな感じだよね?」
「ほんまにそれな!!」
アタシの横でそう言ってMについて話す学生二人。
その話を聞きながら、アタシはMVを見続けた。
「この子の描く世界が暗くて、重くてサイコーなんだよね〜」
「だよね〜Mのイラストって暗くて重いけどその中にある儚さとかサイコーだよね〜」
「何より絵が綺麗…吸い込まれそうだもん」
アタシの右隣の大学生達がMの特徴や、テイストについて話し合っている。
その様子を横目で見ながらアタシはMVを見続けた。