いつか、絶望の底から救い出して…
第6章 Mの正体
それは『ポラロイド』のMVに起用されたイラストだった。
暗い海の底に沈んで行く少女が助けを求めるように、手を伸ばしているあのイラストだ。
真渕先生はそのイラストをテーブルに置くと、舞希に話しかけた。
「これはご自身がお描きになりましたよね?」
「え……い、いや……違います……俺は……」
「これでも“それ”が言えるのでしょうか?」
否定する舞希に、真渕先生はスマートフォンを取り出すと、それをテーブルに置いた。
そこには『M作業風景』と書かれた動画──
「なんでコレが……!」
それを見た瞬間、舞希が声を荒げた。
普段では聞くことがないほどの大声……
アタシは思わず「ひっ!」と声を上げてしまった。