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誰か僕の初めてを奪ってくれ~!!

第15章 刻は昔時代…


【刻は昔時代…】

 朕・弦・祭の三人は…水鏡に映る満月から
びしょ濡れになりながら…墓地の前へ
薄紫色の衣を翻し…ひらり、と舞い降りた…


「うぅ~…いつの時代も夜風は寒いなぁ~
…はぁ~くしょんっ!!ずずず~っ!!」

 と、弦は身震いをした…
それを見ていた朕は…


「よもや、よもや~…そなたに風邪を
引かれては…我の心の臓が痛む…」

 朕は、そう言うと…
手に持っていた扇子を、パッと開きいて
扇子を仰ぎ…弦に暖かい風を吹かせた…


「あぁ~…暖か~い…あっという間に
髪も衣も乾いたぞ~…朕~…ありがとっ!!」

 と、弦は朕に御礼を言った…

 それを見ていた祭も…俺も乾かせ…と
言わんばかりだ…

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