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私達の初体験

第1章 果歩の場合

そして私には、一つの悩みがある。

「ねえ、果歩。井上君とヤッた?」

友達のみなみが、学校の教室だと言うのに平気でそんな事を聞いてくること。

「……ヤッてないよ。」

「え?まだなの?」

「そういうみなみは?」

「だって私、彼氏いないもん。」

美人なみなみは、同級生の告白を次から次へと断っている。

それは、みなみが認めないけれど、担任の早川先生を好きだからと言う説が、友達の中では飛び交っている。

「もう付き合って一年だよね。」

「そうだよ。」

「早くしないと、他の女子に持っていかれるぞ。」

「はあ?」

その時だった。

「私、井上君に告白しようと思う。」

そんな声が聞こえてきた。

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