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私達の初体験

第1章 果歩の場合

「ちょっと。彼女の目の前だよ。」

「平気。あのくらいで彼女にして貰えるなら、私にだってチャンスあるもん。」

顔が引きつる。

この手の話は、もう聞き飽きている。

拓海君は、告白を受ける度に、彼女がいるからと断るのだが、女子達が納得しない。

単に私がその彼女だからだ。

「でも、笑美。もう2回も断られてるじゃん。」

私は顔を上げた。

「だって、諦められないんだもん。」

可愛く泣く笑美ちゃんの顔を見たら、これはヤバいと思った。

いくら拓海君でも、この泣き顔には敵わないだろう。

私は外を見た。

やっぱり、拓海君と一線を越えた方がいいのかな。

あまりにもやらせないと、拓海君も愛想つきちゃうかな。

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