
約束~リラの花の咲く頃に~ⅢLove is forever
第1章 邂逅~めぐりあい~
―莉彩と一緒にいると、不思議と和むんだよな。癒し系っていうヤツ? だから、家で暇持て余してるより、莉彩の顔見てる方が俺には断然良いんだよ。莉彩は俺の元気の素だから。
そう言い切ってから、ちょっと照れたように頬を赤らめた。その表情にはこの頃急速に大人びてきたとはいえ、少年らしい初々しさがほの見えた。
その時、莉彩と慎吾は丁度、遊園地にいた。くるくると回るコーヒーカップに二人して乗り込んでいたときの会話だった。その直後、慎吾の手がふっと伸びてきて、莉彩の頬に触れた。そのまま顔を引き寄せられる感覚があり、
―キスされる?
一瞬、莉彩は眼を閉じた。今のこの時代に、たかだかキス一つくらいで、ここまでの覚悟(?)が必要なのかと思うほど、身体中に緊張を漲らせて次に起こるであろうことを待ち構えた。
が、いつまで経っても、慎吾の唇は重ならなかった。
―もう、良いよ。莉彩、眼を開けて。
その声に莉彩が恐る恐る瞳を開くと、慎吾が苦笑を浮かべていた。
―莉彩ったら、まるでこれから何かの宣告を受けるみたいに悲壮な顔するんだものな。
―ごめん、和泉君。私、そんなつもりじゃ―。
申し訳なさで思わず泣きそうになった莉彩の頭をくしゃくしゃと撫でて、慎吾が屈託なく笑った。
―莉彩の気持ちは判ってるよ。良いから、気にするなって。また、今度な。
慎吾はいつだって優しい。だけど、いつまでも、この優しさに甘えっ放しで良いはずがない。今のままだと、慎吾の優しさを利用しているようで、自分が許せなかった。
一度、慎吾に今の自分の気持ちをはっきりと打ち明けた方が良いのかもしれない。しばらく一定の距離と時間をおいて、一人でゆっくりと考えてみたいのだ。慎吾と離れた時間を過ごした後、それでも自分の気持ちが今と変わらなければ―、そのときは哀しいけれど、慎吾とはもう逢わない方が良いのだろう。
やはり慎吾とは離れていたくない、これからも今までのように逢いたいと思えば、莉彩は慎吾を必要としていることになる。そのときは、莉彩は慎吾が自分にとって何にも代えがたい大切な人だと知るはずだ。
そう言い切ってから、ちょっと照れたように頬を赤らめた。その表情にはこの頃急速に大人びてきたとはいえ、少年らしい初々しさがほの見えた。
その時、莉彩と慎吾は丁度、遊園地にいた。くるくると回るコーヒーカップに二人して乗り込んでいたときの会話だった。その直後、慎吾の手がふっと伸びてきて、莉彩の頬に触れた。そのまま顔を引き寄せられる感覚があり、
―キスされる?
一瞬、莉彩は眼を閉じた。今のこの時代に、たかだかキス一つくらいで、ここまでの覚悟(?)が必要なのかと思うほど、身体中に緊張を漲らせて次に起こるであろうことを待ち構えた。
が、いつまで経っても、慎吾の唇は重ならなかった。
―もう、良いよ。莉彩、眼を開けて。
その声に莉彩が恐る恐る瞳を開くと、慎吾が苦笑を浮かべていた。
―莉彩ったら、まるでこれから何かの宣告を受けるみたいに悲壮な顔するんだものな。
―ごめん、和泉君。私、そんなつもりじゃ―。
申し訳なさで思わず泣きそうになった莉彩の頭をくしゃくしゃと撫でて、慎吾が屈託なく笑った。
―莉彩の気持ちは判ってるよ。良いから、気にするなって。また、今度な。
慎吾はいつだって優しい。だけど、いつまでも、この優しさに甘えっ放しで良いはずがない。今のままだと、慎吾の優しさを利用しているようで、自分が許せなかった。
一度、慎吾に今の自分の気持ちをはっきりと打ち明けた方が良いのかもしれない。しばらく一定の距離と時間をおいて、一人でゆっくりと考えてみたいのだ。慎吾と離れた時間を過ごした後、それでも自分の気持ちが今と変わらなければ―、そのときは哀しいけれど、慎吾とはもう逢わない方が良いのだろう。
やはり慎吾とは離れていたくない、これからも今までのように逢いたいと思えば、莉彩は慎吾を必要としていることになる。そのときは、莉彩は慎吾が自分にとって何にも代えがたい大切な人だと知るはずだ。
