12歳年下の彼に溺愛される話
第5章 芸術の秋…とかしてみたり
彼にこれを言われてしまうと…
ついついダメって言えなくて。
ちょっとだけ…を繰り返されてしまって、
結局、隠れてしてる秘密のキスが
終わらないキスになってしまっている。
「んっ……、ふっ、んっ、
港斗…君…これ以上は…ッ…」
『キスしてたら。
ここで、えっちな気分に
なっちゃうから…ダメですか?』
「えっちな気分になるから、
ダメなんじゃなくてね。
こんな場所でえっちな気分に、
なる様な事を…するのが
そもそも、…ダメなの~ッ!」
ふわっと…目の前に
シャボン玉が飛んで来て。
「シャボン玉…?」
『あ、あそこの売店で、
売ってるみたいですよ?』
そう言いながら港斗が売店を指差すと。
フランクフルトやフライドポテトや
駄菓子を週末や祭日、お花見の
シーズンとかだけオープンしている
この公園に…元々建てられている
売店があって。
空気を入れて遊ぶ
おもちゃの剣や、
夏場用の水鉄砲。
フリスビーやバトミントンも
ホットスナックと一緒に
売店で売られているらしく。
そのシャボン玉は…売店の人が、
客寄せに吹いていた物が
ここまで飛んで来て居た様だった。
『巴さん、どうですか?
折角ですし、あそこで
シャボン玉を買いませんか?』
風上から飛んでくるシャボン玉を
辿る様にして売店に行くと。
既にシャボン玉を買って貰った子供が
その手に握りしめている。
シャボン玉の液とストローに
巴は見覚えがあって。
「とらやの…シャボン玉…。
昔…駄菓子屋さんで…良く買ってた」
自分が…子供の頃と…同じ
あの…濃いピンクのボトルに
ブルーのキャップのシャボン玉液を
小さな子が吹いて遊んでいて。
『僕は…、あれが…羨ましかったなぁ』
一番お手軽価格で買える、
とらやのバラ売りの
シャボン玉だけじゃなくて
シャボン玉セットみたいなのもあって。
その中に置かれていた、
赤い帽子を被ったクマさんの
シャボン玉を港斗が指さして居た。