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12歳年下の彼に溺愛される話

第5章 芸術の秋…とかしてみたり


「あれっ…、
クマさんのシャボン玉。
お金持ちの家の子が持ってたやつ…」

赤い帽子を外して、
クマさんのお腹を押したら。
中からにゅっと…赤いバブルワンドが
出て来てそれを吹いて遊ぶやつだ。

『あれを…あのクマを
買いましょう…、巴さん』

「えっ、あれ…買うの?
絶対…使い切れないよ?
とらやの30円ので良くない?」

青いクマのシャボン玉と、
とらやのシャボン玉を
港斗君がレジに持って行ってしまって。

『さぁ、遊びましょうか?巴さん』

「シャボン玉…なんて…何年振りだろ…?」

『その中のシャボン液なくなたら、
こっちから入れれば良いですしね』

ヤクルト位のサイズの
とらやのシャボン玉液の
キャップを開けると。

シャボン玉液に、
ストローの先を入れて。
巴が口に咥えるとふぅーーと息を吹いた。

キラキラと太陽の光を受けて
七色に光る小さいサイズのシャボン玉が
沢山飛んで行くのが見えて。

子供の頃よりも沢山出来てるのは、
私が大人になって肺活量が
増えたから…なのかも知れない。

しばらく買ったシャボン玉で遊んでいると。

『巴さん、巴さんもクマの方使いますか?』

「うん、良いの?やってみたい」

このクマの形のシャボン玉は、
小さい頃に持っているお友達が
羨ましくて欲しかったけど…
買って貰えなかった記憶がある。

「ねぇ、このクマのシャボン玉って
幾らぐらいする物なの?」

『1000円ですよ、それ』

「1000円なんだ…これ…ッ」

とらやの単品のが30円で
100円均なら5本位
液が入ってるのとか、
ステッキみたいになってる
沢山作れたり大きいのが作れるのあるし。
どうりで…ダメって言われるよなと。

そんな事を思いながら
フゥー――と、
クマのシャボン玉を吹くと。
沢山のシャボン玉が…ゆっくりと
その数を減らしながら
空の方へと上って行くのが見えて。

下から、そのシャボン玉たちが
昇って行くのを2人で見上げていると。

ぎゅ…っ…と港斗が手を握って来て。
きゅ…と…巴さもその手を握り返した。

『良いですね…、シャボン玉も』



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