12歳年下の彼に溺愛される話
第2章 割の悪いアルバイト
それから…、ハッとして気が付いて。
そうだ…私…
思いっきり目を開けたままだった。
と言う事に、キスをしたままで
視線が合って…気が付いたのだが。
合わせていた唇が離れて。
すぐ目の前にある、
彼の顔が笑顔になると。
『巴さんは…キスされるのを…、
見たい人…だったんですね?』
「いや…っ、その…、
あのっ港斗さん、違うん…です…ッ」
スルッと…こちらに伸びて来た手が、
巴の髪の間をかき分けて行って。
港斗の手が、こちらの首の後ろを支えて。
これからする方のキスから、
こちらが逃れられない様に…
固定されてしまうと。
彼の…その行動に…ドキドキと、
自分が…今から…この…24歳の彼に
どんなキスを…されてしまうのかと…。
キスとキスとの間の…ほんの僅かな時間に
自分の中で渦巻いてしまって居て。
最初にキスをした時は…
何も問いかけ無かったのに。
『いいですか…?キスしても』
そう…彼に問いかけられてしまって。
私は…その彼の問いに…首を縦に振って。
自分の瞼を閉じた。
最初はそっと…押し当てるだけのキス…。
触れるだけの…キスを…繰り返して。
ちゅ…と…小さく…啄む様な…、
そんな短いキスを…繰り返される。
もっと…深くて…
熱いキスが…欲しいっと…。
ぎゅと…、自分の手で
彼の服を掴んだ手に
そっと港斗が自分の手を重ねて来て。
重なって居た唇が…離れ行くと。
『残念ですが…、そろそろ降りる準備を
した方が…良さそうですね…?巴さん』