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ビッケとビッチ

第3章 11月23日木曜日勤労感謝の日の夜…

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「あん、か、かずやくん…
 わたしも…
 わたしも…
 わたしも…
 和哉くんが…大好きっ…」

 とうとう心の壁を…
 自ら壊してしまった。

 でも、そんな気持ちは今だけなんだ…

 だってわたしは…

 ビッチな女だから。


 不倫だの…

 行きずりのワンナイトだの…

 そんな淫らな、酒の酔いの勢いに流された様な…

 そんなビッチな女なんだから。

「い、今だけね…」
 わたしはそんな想いを戒める為にも、そう呟いた。

「え?」
 和哉くんは訝しむ声を出す。

「いいのよ…」

 そうキミにはいいの…

 こっちの話し…

「はぁ、ゆ、ゆりさぁん…」

 それよりも、キミを鎮めないとね…

 わたしは自ら壁を壊したせいからなのか…
 意外に心が冷静になっていた。

 いや、冷静では無くて…

 開き直りなのかもしれない…

 和哉くん、キミが好き、大好き…

 今だけは大好き…

 そう、開き直りだ。

 今は…

 もうこうなったら…

 今は、しばらくは…

 この心の昂ぶりねは正直な気持ちに…

 流されていこう…

「さぁ、和哉くん…」

 わたしはキスをしながら、彼の股間に手を伸ばし…

「あ、ゆ、ゆりさん…」

「いいの…」

 ジーンズのジッパーを…

 ジーーーーー…

 下ろしていく。

「あ、そ、そんなぁ…」

「いいのよ…
 いいの、シてあげる…
 鎮めてあげるわ…
 辛いでしょう?…」

 ビッチな昂ぶりの衝動が、わたしを衝いてくる。
 

 そしてわたしは和哉くんの固く、脈打ってしまった彼の熱い想いの象徴を…

 口に含む…

「あっ、んっ、ゆ、ゆりさぁん…」

 和哉くんはビクンと震え…

 喘ぎを漏らしてきた…



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