らゔぃあん☆ぴーち!
第4章 あ
ダメ親父と佐藤さんが籍を入れ
彼女達が我が家へ引っ越して来たのはそれから間もなくのこと。
佐藤さん一家はちょうど賃貸マンションの更新タイミングだったらしく
それもあって速やかな同居となったことは私にとって嬉しい誤算だった。
我が家は二階建てで無駄に広い。
一階はリビングダイニングとダメ親父が自分の部屋として使っている主寝室などがあり
二階部分には個室が三部屋並んでいる。
私が使っている端の部屋以外は物置状態だったのだが
そこを桃と紫苑が使うことになった。
「桃は私の隣の部屋。真ん中ね」
桃と会うのは二度目だが今日から名前を呼び捨てにすることにした。
ちゃん付けが定着してしまうと途中で切り替えるのが照れくさいし
紫苑だって呼び捨ててるし私も桃って呼びたい。
「桃も私のこと、紫苑って呼ぶみたいに、朱音って呼び捨てにしてね」
「は、はい」
「うん、だよ。敬語もブブー」
「うん」
桃は笑顔で頷く。
やっぱり可愛い。
「自分も朱音って呼ばせてもらいたいんだけど、いいかな」
紫苑は自分のことを自分と言う。
男前が過ぎる。
そして桃に積極的に接触しようとする私をやはり警戒しているようで
基本桃から離れないし何かと割って入って来る。
「勿論。私も紫苑って呼ばせてもらうね」
「ラジャ」
そういう訳で真ん中の部屋が桃。
桃を挟むように私と紫苑の部屋。
部屋だけ見てもバチバチの構図だ。
家族総出で行った引っ越し作業も概ね片付き
歓迎会的な夕食が済んだ後
私は一人紫苑の部屋を訪れた。
どうしても初めにはっきりさせておきたいことがあったからだ。
「お邪魔しまーす」
「お邪魔も何も、朱音の家だろ」
「もう五人の家だし、ここは紫苑の部屋だよ」
「色々と騒がせてすまないな。感謝する」
「私こそ、紫苑たちが来てくれて賑やかになって嬉しいよ。ありがとね」
とりあえず友好的な会話をした私達だったが建前感が否めない。
本題に入ろう。
「あのさ紫苑、桃のことなんだけど」
桃という名前を聞いただけでぴくりと片眉を動かす紫苑
食いつきが早い。
彼女達が我が家へ引っ越して来たのはそれから間もなくのこと。
佐藤さん一家はちょうど賃貸マンションの更新タイミングだったらしく
それもあって速やかな同居となったことは私にとって嬉しい誤算だった。
我が家は二階建てで無駄に広い。
一階はリビングダイニングとダメ親父が自分の部屋として使っている主寝室などがあり
二階部分には個室が三部屋並んでいる。
私が使っている端の部屋以外は物置状態だったのだが
そこを桃と紫苑が使うことになった。
「桃は私の隣の部屋。真ん中ね」
桃と会うのは二度目だが今日から名前を呼び捨てにすることにした。
ちゃん付けが定着してしまうと途中で切り替えるのが照れくさいし
紫苑だって呼び捨ててるし私も桃って呼びたい。
「桃も私のこと、紫苑って呼ぶみたいに、朱音って呼び捨てにしてね」
「は、はい」
「うん、だよ。敬語もブブー」
「うん」
桃は笑顔で頷く。
やっぱり可愛い。
「自分も朱音って呼ばせてもらいたいんだけど、いいかな」
紫苑は自分のことを自分と言う。
男前が過ぎる。
そして桃に積極的に接触しようとする私をやはり警戒しているようで
基本桃から離れないし何かと割って入って来る。
「勿論。私も紫苑って呼ばせてもらうね」
「ラジャ」
そういう訳で真ん中の部屋が桃。
桃を挟むように私と紫苑の部屋。
部屋だけ見てもバチバチの構図だ。
家族総出で行った引っ越し作業も概ね片付き
歓迎会的な夕食が済んだ後
私は一人紫苑の部屋を訪れた。
どうしても初めにはっきりさせておきたいことがあったからだ。
「お邪魔しまーす」
「お邪魔も何も、朱音の家だろ」
「もう五人の家だし、ここは紫苑の部屋だよ」
「色々と騒がせてすまないな。感謝する」
「私こそ、紫苑たちが来てくれて賑やかになって嬉しいよ。ありがとね」
とりあえず友好的な会話をした私達だったが建前感が否めない。
本題に入ろう。
「あのさ紫苑、桃のことなんだけど」
桃という名前を聞いただけでぴくりと片眉を動かす紫苑
食いつきが早い。