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らゔぃあん☆ぴーち!

第4章 あ

だから二人きりなろうと手を変え品を変え桃を誘うのだけれど
桃は三人でやろうよとか行こうよとか
紫苑にも聞いてみようよとか必ず言うので
結果三人。
安定のトリオ。

わかるよ
わかるんだけど
たまには私と二人だけでいて欲しいんだけど
まだ無理なのかな。
モモシオの絆からしたら
私なんてまだまだなのかな。
切ない。

私だって
もっと早く桃と出会いたかった。
桃が絶望の底にいた時に側にいたかった。
その涙を拭ってぎゅっと抱き締めてあげたかった。
本当だよ。

切なくなるたびに
胸が痛くなるたびに
私は竹刀を手に庭に出た。

毎日のようにどんなに振りまくっても
無心になれたと感じる瞬間は数えるほどしかなくて

ああ
恋ってひどくやっかいだ
でも恋って
こんなにも心を揺さぶるんだ。

自分は随分強くなったと思っていたけれど
全然だった。
いちいちグラグラしないほど
強くなりたい。

お陰でこの夏にした素振りは過去一となり
逞しく引き締まった私の両腕を見て
さすが主将、筋肉半端ないと
部員達の熱い称賛を受けるようになったことはちょっぴり嬉しかった。

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