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らゔぃあん☆ぴーち!

第5章 ん

「朱音の体、飛んだ、飛んだー!」
「な、な……っ」
「もー嘘だよぉ!朱音ったら、そんなことある訳ないよー!おかしいー!あははっ!」

だまされた
桃に騙された
嘘ってなんだよ
嘘なんて言うのか
可愛すぎるじゃないか!!

「おりゃーっ!!」

血が上った頭が爆発して桃に抱きついた。

「きゃー!」
「嘘ってなんだよ!可愛いだろうがあああ!」

桃を抱き締めたままぐるぐる振り回す。

「くそー!騙されたー!」
「きゃー!あははは!」

二人で大笑いしながらぐるぐる回転して
私もふらふらになって
ラグにぶっ倒れて
それでもまだ笑って
お互い笑い疲れて肩で息をしながら見つめ合った。



桃の瞳と笑顔を独り占めしている。

ああ
こんな風に見つめあいたかったんだ。

嘘をつかれるほど
こんな風に腹の底から笑いあえるほど
私達は気安い仲になったんだ。

グッと熱いものが込み上げて
不覚にも目頭が熱くなる。

「……朱音?」
「桃……私───」

ガチャ。

リビングのドアが開き
紫苑が現れた。

ラグの上に寝転がり顔を寄せ合っていた私達を見て
盛大に目を見開き眉を跳ね上げる。

「何してるんだ?」

慌てて起き上がり乱れたスカートを整える桃。

いいところだったのに
すごくいいところだったのに……っ!

手の中からすり抜けていった甘やかな一瞬
がっくりと全身から力が抜けた。
私ものろのろと起き上がって

「別に、ちょっと変形ジャイアントスイングをしてて」
「はあ?」
「朱音ったらね、紫苑が異世界から来たって、本気にしたんだよ」
「だって桃が嘘つくなんて思わないもん」
「あはは、『まさかセブン?!』って言った時の朱音の顔、思い出し笑いしちゃう。目がクワッとなって……最高だったーっ」
「もう言わないでー恥ずいー」

意味不明だな、と仏頂面の紫苑。
桃は笑いながら立ち上がると

「お掃除は休憩だね。お茶を飲もう?淹れてくるね」

そう言って軽やかにキッチンへ入っていった。
紫苑は私を睨みながら近づいてくると私にしか聞こえない声で

「何してたんだよ」
「あのさ、邪魔しないで欲しいんだけど」

私達は睨みあった。

「……毎度毎度、同じことの繰り返しだな」
「同感。ねえ紫苑、もうさ、白黒つけたくない?」
「どういう意味だ」
「勝負しようよ」
「勝負?」

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