らゔぃあん☆ぴーち!
第6章 ☆
皆が寝静まった深夜のリビング。
私と紫苑はテーブルを挟んで向かい合っていた。
「ところで朱音、何で勝負する気だ」
「剣道と歌じゃ勝ち負けが決まらないし、どちらかに少しでもアドバンテージがある戦いは卑怯だと思うんだ」
「ふん」
「という訳で、フェアなもので勝負をつけたいと思う」
どん。
テーブルの上にウイスキーの酒瓶を置いた。
ダメ親父の在庫から失敬したものだ。
「これで方をつけよう」
「これで?どうやって?」
「一杯づつ同時に飲んで、酔っぱらったりしてもう飲めなくなったほうが負け。負けたほうは金輪際、桃から手を引く」
紫苑は目を細め腕を組んだ。
「確かにそういう飲み比べのシーンを映画とかで見たことがあるな」
「でしょ」
「しかし酒を飲んだことがない」
「私も」
未成年どうし
当たり前といえば当たり前だ。
「酒に弱い奴が桃を守れると思う?居酒屋で桃といるところを暴漢に襲われたらどうする。酒に酔ってしまうような軟弱な奴では桃を守れない」
「一理あるな」
「どう?」
「フェアな戦いかどうかは疑問だが、もういい加減白黒つけたいのは自分も同じだ。よし、わかった。やろうじゃないか」
「そうこなくっちゃ。お酒って飲み過ぎると記憶が無くなることがあるらしいから、筆記用具も置いておこう」
「負けたら一筆書くのか」
「そう。桃から手を引くってね」
「負けることを想定していないからこんなアホな勝負も受けるけど、書くつもりは一ミリもない」
「ミートゥー」
私は二つ並べたお猪口にウイスキーをなみなみと注いだ。
「お猪口ってダサいな」
「ショットグラスがないからしょうがないでしょ」
「無理して救急車呼ぶようなレベルまで飲むなよ」
「紫苑こそ」
一杯目。
「おえ」
まずい。
危うく吐き出しそうになった。
「何だこれ、まずいな」
紫苑も顔をしかめる。
香りは大好きなラムレーズンに似ているのに全く甘くはなく
強烈な味で舌がひりつき非常に飲み込みづらい。
「酔うとか以前にまず過ぎて飲めなくなりそう」
「同感だ」
こんなものを美味しそうに飲んでいる大人の味覚がよくわからない。
まずいまずいと言いながらとりあえず二人とも飲み干した。
口の中やお腹の中がカッカと熱い感覚はあるが
お互いまだ飲めそうだ。
「よし、二杯目。GO!」
私と紫苑はテーブルを挟んで向かい合っていた。
「ところで朱音、何で勝負する気だ」
「剣道と歌じゃ勝ち負けが決まらないし、どちらかに少しでもアドバンテージがある戦いは卑怯だと思うんだ」
「ふん」
「という訳で、フェアなもので勝負をつけたいと思う」
どん。
テーブルの上にウイスキーの酒瓶を置いた。
ダメ親父の在庫から失敬したものだ。
「これで方をつけよう」
「これで?どうやって?」
「一杯づつ同時に飲んで、酔っぱらったりしてもう飲めなくなったほうが負け。負けたほうは金輪際、桃から手を引く」
紫苑は目を細め腕を組んだ。
「確かにそういう飲み比べのシーンを映画とかで見たことがあるな」
「でしょ」
「しかし酒を飲んだことがない」
「私も」
未成年どうし
当たり前といえば当たり前だ。
「酒に弱い奴が桃を守れると思う?居酒屋で桃といるところを暴漢に襲われたらどうする。酒に酔ってしまうような軟弱な奴では桃を守れない」
「一理あるな」
「どう?」
「フェアな戦いかどうかは疑問だが、もういい加減白黒つけたいのは自分も同じだ。よし、わかった。やろうじゃないか」
「そうこなくっちゃ。お酒って飲み過ぎると記憶が無くなることがあるらしいから、筆記用具も置いておこう」
「負けたら一筆書くのか」
「そう。桃から手を引くってね」
「負けることを想定していないからこんなアホな勝負も受けるけど、書くつもりは一ミリもない」
「ミートゥー」
私は二つ並べたお猪口にウイスキーをなみなみと注いだ。
「お猪口ってダサいな」
「ショットグラスがないからしょうがないでしょ」
「無理して救急車呼ぶようなレベルまで飲むなよ」
「紫苑こそ」
一杯目。
「おえ」
まずい。
危うく吐き出しそうになった。
「何だこれ、まずいな」
紫苑も顔をしかめる。
香りは大好きなラムレーズンに似ているのに全く甘くはなく
強烈な味で舌がひりつき非常に飲み込みづらい。
「酔うとか以前にまず過ぎて飲めなくなりそう」
「同感だ」
こんなものを美味しそうに飲んでいる大人の味覚がよくわからない。
まずいまずいと言いながらとりあえず二人とも飲み干した。
口の中やお腹の中がカッカと熱い感覚はあるが
お互いまだ飲めそうだ。
「よし、二杯目。GO!」