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らゔぃあん☆ぴーち!

第6章 ☆

「ううー……桃ー……」

紫苑がちっちゃな声で桃を呼んだ。
でも目は閉じている。

「寝言かな」
「寝言だな」

桃はベッドの横に膝をついて

「紫苑、私ここにいるよ」
「うー……」

その様子を眺めながら
またちくちくと胸が痛む。

私との勝負に負けたこと
あの念書を書いたこと
紫苑は起きた時に覚えているだろうか。

覚えていなくても
あれを見たら紫苑の奴
本当に桃から手を引くだろうな。

真面目だもんな
むっつりだけど。
正々堂々とした奴だもんな
むっつりだけど。

「うー、桃……」
「うん?ここにいるよ」

もぞもぞと動いた紫苑の手
桃がその手を取り
両手で包むように優しく握ってやると
紫苑はふうっと大きく息を吐き
安心したように又規則的な寝息を立て始めた。

「桃、もう夜遅いし桃は寝なよ。私が責任をもって見てるから」
「ううん、私が側にいるから、朱音が寝て。手も握ってるし、紫苑が離すまでは側にいてあげたい」
「……」
「私もね、前に熱が出た時紫苑がずっと側にいてくれたの。すごく嬉しかったし安心したの。だから今度は私が側にいたいの」
「そっか。じゃあ、任せるね」

桃に看病してもらえるなんて
紫苑の奴おいしいな。

「これじゃどっちが勝ったのかわからないじゃん」

思わず苦笑する。

「え?」
「ううん、おやすみ」

私は痛む胸をさすりながら紫苑の部屋を後にした。

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