らゔぃあん☆ぴーち!
第7章 ぴー
翌日。
リビングのソファで雑誌を読んでいた私の前にふらふらとした足取りで現れた紫苑。
頭を抱え幽霊のように青白い顔
二日酔い丸出しだ。
「朱音、昨日の勝負、どっちが勝ったんだ」
「え?」
「五杯目くらいから覚えてないんだ」
がっくりと肩を落としながらソファへ沈み込む紫苑。
「記憶がない時点で、自分の負けだな」
大きくため息をつきながら両手で顔を覆う。
「潔く桃からは手を引く……」
「紫苑がそう言うなら、それでもいいけど」
私がそう言うと紫苑は顔を上げた。
「どういう意味だ」
「記憶のない人に言いたくないけどさ、実は引き分けだったんだ」
私は肩をすくめた。
「十杯目だったかな、紫苑が潰れて寝ちゃって、でも私もその一杯がどうしても飲みきれなくて、トイレに駆け込んじゃってゲー。だから引き分け」
「……そうか」
良かった、と紫苑は大きく息を吐いた。
本当に手を引くつもりだったんだろう
やはりバカ正直な奴だ。
紫苑はしばらく黙った後
「さっき起きたらさ、桃と、手を繋いでたんだ」
「うん」
知ってる。
昨日からそうだった。
「桃がベッドの横で体育座りしてて、自分と手を繋いだまま、寝ちゃってたんだ」
「うん」
「ずっと一緒にいてくれたみたいだ。ただの酔っ払いなのにさ」
「うん」
「自分は、やっぱり桃が、好きだ」
「うん」
「やっぱり、諦められない」
「うん」
「朱音」
「うん?」
「ありがとう」
そして紫苑はイタタと言いながら立ち上がり
なんか足がすっげー痛いんだよな、と独りごちながら
よろよろとリビングを出て行こうとする。
「紫苑」
呼び止めて
私も立ち上がった。
「別に私はお前に情けをかけた訳じゃない。ただ、思ったんだよね。私達二人の間で、手を引くとか引かないとか、それって無意味ないんじゃないかなって」
「……」
「桃に、どちらかを選んでもらうべきなんじゃないかな」
昨日からずっと考えていたこと
思い切って口にした。
リビングのソファで雑誌を読んでいた私の前にふらふらとした足取りで現れた紫苑。
頭を抱え幽霊のように青白い顔
二日酔い丸出しだ。
「朱音、昨日の勝負、どっちが勝ったんだ」
「え?」
「五杯目くらいから覚えてないんだ」
がっくりと肩を落としながらソファへ沈み込む紫苑。
「記憶がない時点で、自分の負けだな」
大きくため息をつきながら両手で顔を覆う。
「潔く桃からは手を引く……」
「紫苑がそう言うなら、それでもいいけど」
私がそう言うと紫苑は顔を上げた。
「どういう意味だ」
「記憶のない人に言いたくないけどさ、実は引き分けだったんだ」
私は肩をすくめた。
「十杯目だったかな、紫苑が潰れて寝ちゃって、でも私もその一杯がどうしても飲みきれなくて、トイレに駆け込んじゃってゲー。だから引き分け」
「……そうか」
良かった、と紫苑は大きく息を吐いた。
本当に手を引くつもりだったんだろう
やはりバカ正直な奴だ。
紫苑はしばらく黙った後
「さっき起きたらさ、桃と、手を繋いでたんだ」
「うん」
知ってる。
昨日からそうだった。
「桃がベッドの横で体育座りしてて、自分と手を繋いだまま、寝ちゃってたんだ」
「うん」
「ずっと一緒にいてくれたみたいだ。ただの酔っ払いなのにさ」
「うん」
「自分は、やっぱり桃が、好きだ」
「うん」
「やっぱり、諦められない」
「うん」
「朱音」
「うん?」
「ありがとう」
そして紫苑はイタタと言いながら立ち上がり
なんか足がすっげー痛いんだよな、と独りごちながら
よろよろとリビングを出て行こうとする。
「紫苑」
呼び止めて
私も立ち上がった。
「別に私はお前に情けをかけた訳じゃない。ただ、思ったんだよね。私達二人の間で、手を引くとか引かないとか、それって無意味ないんじゃないかなって」
「……」
「桃に、どちらかを選んでもらうべきなんじゃないかな」
昨日からずっと考えていたこと
思い切って口にした。