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らゔぃあん☆ぴーち!

第2章 ゔ

「えーと、じゃあ紹介するな。俺の娘の朱音(あかね)。高校三年生だ。
 ……ほれ、朱音、挨拶」

どつかれて

「あ、朱音です。初めまして」

慌てて頭を下げた。

「こちらが佐藤晴香さん。俺の奥さんになってくれる方であり、お前のお母さんになってくれる方だ。そして娘さんの桃ちゃんだ」

モモチャン……!

「佐藤晴香です。初めまして。朱音ちゃんにはずっと会いたいと思っていたから今日は本当に嬉しいです。そしてこの子が……」
「佐藤桃です。は、初めまして。高校一年生です。よろしくお願い致します!」

桃は緊張気味にそう言うと綺麗なお辞儀をした。

私よりも頭一つ小さくて
その頭も片手で掴めそうなマスクメロンサイズ
さらりと揺れたセミロングヘアを耳にかけながら顔を上げた桃と
私の目が合った。

その瞬間
ラウンジに流れていた音楽が途絶え
無音
無重力。

音のない甘美な旋律が流れる二人だけの宇宙
私を見つめる大きな瞳が星のように輝いて
上気した薔薇色の頬
チェリー色の小さな唇
それがスローモーションで可憐な笑顔へと変わった。

可愛いいいいぃ……!!

天使か
妖精か
超絶美麗美少女イラストが3D化したらこんなんか。

さとうもも
名前まで甘いし
着ているロリっぽいピンクのワンピもドストライク
その小さすぎるポシェット何が入るん
やばいマジ可愛い

息するの忘れてた
死ぬ。

凝視し過ぎたのか
恥ずかしそうにふっと俯いた桃
視線の結び目が甘やかにほどけた。

「えーっと、あれ?紫苑(しおん)ちゃんは?」
「ごめんなさい、紫苑とは駅で待ち合わせしていたんだけど、遅れるから先に行ってって」
「そっかそっか。よしじゃあとりあえず座ろう。
 朱音は全然緊張とかするタイプじゃないんだけど、こういうのは初めてだもんなあ。緊張してんのか朱音?固まってるぞ」

うっさいわ

いつもならそう返すところだが
天使の前で悪態などつけない。
嫌われたくない。

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