黒猫と白薔薇
第1章 淡い日常
夏の陽が眩しい。
朝も暑いのも苦手だ。そのために強めの氷魔法を部屋にかけてもらっているから、快適に過ごせていてありがたいのだが、ひとつだけ問題がある。
「おい」
「なあに?」
愛くるしい顔で、少女が小首を傾げる。どんなに教えてもまるきっり理解しない。それがまた、余計に頭を痛くさせる原因でもある。
「なんでいつも俺の上に乗っかってるんだよ。一秒で降りろ」
「や! 暁の上好き」
「俺は好きじゃない」
「暁、遊ぼう?」
「……お前。本当に人の話聞かないね」
全身真っ白な長い髪の少女は、“白薔薇姫”と呼ばれる癒しの力を持つ。カナタと共に少女専属騎士をしているが――毎回追いかけっ子になる。
まるで、小さな子どもの面倒でも見ているかのようだ。
本当に自由奔放で、自分の非じゃない事をここ数日ですでに痛感中だ。
朝も暑いのも苦手だ。そのために強めの氷魔法を部屋にかけてもらっているから、快適に過ごせていてありがたいのだが、ひとつだけ問題がある。
「おい」
「なあに?」
愛くるしい顔で、少女が小首を傾げる。どんなに教えてもまるきっり理解しない。それがまた、余計に頭を痛くさせる原因でもある。
「なんでいつも俺の上に乗っかってるんだよ。一秒で降りろ」
「や! 暁の上好き」
「俺は好きじゃない」
「暁、遊ぼう?」
「……お前。本当に人の話聞かないね」
全身真っ白な長い髪の少女は、“白薔薇姫”と呼ばれる癒しの力を持つ。カナタと共に少女専属騎士をしているが――毎回追いかけっ子になる。
まるで、小さな子どもの面倒でも見ているかのようだ。
本当に自由奔放で、自分の非じゃない事をここ数日ですでに痛感中だ。