素敵な飼い主様
第7章 戻れない
「すみれがね、浮気したって俺はどうでもいいんだよ。だけど、君が悲しんでると思ったら、いてもたってもいれなくて」
「し、椎名様・・・?何を・・・」
とんっと背中に壁があたって、逃げようとするけれど、両手ではさまれて、逃げれない。
その真剣な瞳の奥に、狂気が見えた。
「すみれなんて愛してない。いつでも君を思ってた。寝ても覚めても、ずっと君を」
「いやっだ、誰か・・・!!」
「どうしてそんなに抗う?俺が好きなんでしょ?紫苑」
ぐっと近づいてきた顔を、必死でおさえる。
狂ってる。
そんな狂った愛、あたしはいらない!