素敵な飼い主様
第8章 地獄という名の日常
「同じ?」
「いや、俺よりもひどい。こんなもので彼女を苦しめて」
そう言ってだしてきたのは、あたしがつけていた、赤い首輪。
ずっと探していたけど、椎名様が持っていたんだ・・・。
神矢は、その首輪を見て、「はずしたのか」と呟くと、切なそうな顔をする。
・・・どうして、そんな顔をしているの・・・?
あまりにも神矢が、今にも泣きそうな顔をしているから、駆け出したくなるけれど、椎名様の腕がそうはさせてくれない。
こんなにも胸が締め付けられる思いは、初めてだ。