素敵な飼い主様
第8章 地獄という名の日常
「いいですか?彼女はあなたのペットではありません。俺のものなんだ。こうして何度も抱き合ってきた!」
「し、椎名様っ」
やめて、そう言いたいのに、喘ぐことを止められなかった自分を思い出し、何も言えなくなる。
そうだ。もう、戻れないのだ。
汚れた自分を見つけ出してくれた神矢。
けれど、また汚れてしまったあたしを、受け入れてくれるはずが無い。
きゅうっと、自分の胸元にあるシーツを力いっぱい握る。
コツ・・・と、神矢の足音が聞こえた。
帰るの、かな。
もう、あたしを軽蔑したのかな。