テキストサイズ

素敵な飼い主様

第8章 地獄という名の日常





あたしは、神矢が左手を前にだした瞬間、走り出していた。



「神矢・・・っ!!」


「紫苑・・・」



そのまま、硬い神矢の胸に飛び込む。


神矢は、シーツごとあたしを抱きしめてくれた。



懐かしい、爽やかな香り。


フッとあたしに微笑むと、神矢は椎名様に視線をうつした。



「悪いが、椎名さん。彼女は返してもらう」



「・・・・・・・・・」



「椎名、様・・・」



髪をくしゃり、と掴み、俯いていた椎名様は、ゆっくりと、あたしの方に向いた。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ