素敵な飼い主様
第3章 犬の役割・・・?
彼の顔が真上にあって、不覚にもドキリと胸が高鳴った。
いくら彼がお金目当てだとしても、彼の顔はよく整っているからだ。
その漆黒の瞳に見つめられると、動けなくなってしまう。
「まず、1つ」
ちう・・・
「ぁ・・・いたぃ・・・」
すっかり力を抜いたあたしの首筋に、彼が吸い付く。
「首輪は絶対にはずさない」
そして少しだけ離れると、首元についた首輪を触った。
「あんたは今日から、俺の犬だからな」
「は・・・い・・・」
なんだか、彼の言葉が魔法のようにスッと頭の中にはいってくる・・・。
逆らえない。