素敵な飼い主様
第4章 ダンスパーティー
それは久しく聞いた声で。
今あたしがダンスパーティーにいかなくちゃならなくなっている原因の男。
別にお辞儀なんてしなくてもいいのに、北条さんは綺麗にお辞儀して、彼から上着を受け取った。
綺麗にワックスで流した黒髪に、細身のスーツが似合う。
「神矢・・・!」
「へぇ。意外と似合ってるな」
「・・・は?何言って・・・・・・」
「ドレス」
「・・・え?着てないけど」
「・・・気づかないのが奇跡だな。よく見ろ馬鹿」
がしりと頬をつかまれて、無理やり下に向けさせられた。
着てるって・・・あたし着替えた覚えないのよ?!
「何を着ている?」
「・・・・・・・・・」
あたしは、驚きのあまり、声がでなかった。