素敵な飼い主様
第1章 1
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いつもと同じように、パンツは履かずに出かける。
それをターゲットに見せて誘うのが、あたしのやり方。
あたしは、何食わぬ顔でファミレスに入った。
ここなら音が大きいし、多少大きく喘いだとしても大丈夫。
「いらっしゃいませー」
愛想よく店員さんに迎えられ、あたしはお金を持っていそうな人を探した。
けれど、時々例外がある。
時々、というか。
頻繁に。
「あれ~?お姉さん一人?!」
「めっちゃ可愛いじゃん!俺らといいこと、しない?」
ナンパをしてくるのだ。
金もなさそうな、貧相な男たちが。
今回だって、見ろ。
ただ髪を染めて、ピアスして、いかにもチャラそうな奴らの群れじゃないか。