素敵な飼い主様
第4章 ダンスパーティー
「こんなところまで追ってくるなんて、まるでストーカーね?椎名さんが迷惑よ」
「すみれ、少し黙っておけ」
椎名さんが抑えるけれど、まだ彼女は言葉を止めない。
「その首輪はなに?あなた、犬になったの?ふっお似合いじゃない」
「清麗!!」
「・・・っ」
「飼い主は誰かしら?もしかして、かなりお歳の方?」
何も言えないあたしに、彼女はふっと勝ち誇った表情を見せた。
泣きたくないのに、目頭が熱くなる。
そんなあたしに、椎名様が眉を垂らして手をのばしてきた。
「紫苑、すまない・・・。でも、考えてくれないか・・・?」
いやよ。
絶対、イヤ。
この二人の顔なんて、二度と見たくない!!
そう言おうと思ったとき。
ぐいっ!!
目の前が一気に暗くなって、背中に温かいものが触れた。