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革靴を履いたシンデレラ

第4章 シンデレラの落とし物


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「………小義姉さん。 俺の取り柄とは、実のところ顔だけか?」

ザクザク山道をひた歩いていたシンデレラは、前を歩いていたルナに話しかけた。

先ほどから無口な彼だったが、そんなことを考えていたのかとでもいうように彼女が明るく笑い飛ばす。

「なあに、いやだ。 そんなわけないじゃない。 私の弟は誰よりも家族思いの優しい子だわ」

「優しい…ね」

浮かない顔でシンデレラが足を進めた。

どうやら女性の扱いとは。
顔がいいだけでも優しいだけでもセックスがいいだけでもダメらしい。
それではどうしたらいいのか。

シンデレラが18年生きてきて、はじめての敗北である。
とはいえ、いつまでもグダグダ悩んでいる彼ではない。

「フフフ、成功とは失敗を積み重ねて辿り着くもの………などとは、凡人の言だと思っていたのだがな」

と、眼下の城や街並みを偉そうに見下ろしシンデレラが呟く。

「あ、シンデレラ! そうそう………なにやら今東の方では、熊の睾丸を酒に漬けた物が流行りだそうよ。 薬屋の娘さんが教えてくれたわ。 高く売れるんですって!!」

そんな彼を思い切りスルーしたルナが元気よく口にする。

自分のアレが切って漬けられるところを想像し、シンデレラがヒュッとなった。

「へ、へえ。 そ…そうなのか」

「さあデッカイXXXX獲るわよお!!」

ルナの大きな声が山にこだまする。

「………」

シンデレラは無言で、やや腰を引きながら彼女のあとについて行った。




To be continued…

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