革靴を履いたシンデレラ
第5章 魔女のタマブクロモドキ
「ふうん、どうせその女性をお持ち帰りしたのではなくって?」
今回はさすがにルナもシンデレラをジロリと睨む。
「まあ……」
言葉を濁すシンデレラが下の部屋のドアを開け、ルナは痛みに呻き声をあげている若い男たちの真ん中にダーマを放り投げた。
「そんなことよりも、クレアのことを考えてあげなくっちゃ……ああ、なぜ気付いてあげられなかったのかしら。 きっととても傷付いてるわ。 でもどうしたらいいのかしら」
「ダーマ、コイツらに命じろ。 そうだな、『ワタクシを死なない程度に拷問しろ』と。 姉さん、それを言うなら俺もだ。 このまま嫁に行かすのはあんまり可哀想だ。 金を稼いであの家を援助すればいいのか?」
渋るダーマの鳩尾を蹴っ飛ばし、早くなさいよとルナが催促する。
「………本気で言ってるの? あの子をどう見てるかなんて、シンデレラ。 貴方もよく分かってるはず。 その逆もね。 クレアは貴方の家族でも恋人でもないのだから。 変態さん、ついでに終わったらその男性たちを解放するのよ。 間を空けて見に来るから。 よくって!?」
それから二人は重い気分で、晴れ上がった外に出た────背中にダーマの下品な嬌声を聞きながら。