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革靴を履いたシンデレラ

第5章 魔女のタマブクロモドキ


ハンカチで手を拭き拭き、シンデレラが見下げ果てた視線をダーマに寄越す。 が、それさえもご褒美とばかりに彼女が上目遣いで彼に媚びを売る。

「これは確かに……シンデレラは無理ねえ。 骨の二、三本ぐらい折っておけばいいかしら?」

「ヒッ」

「ふうむ。 せっかくだから、階下の大好きな男どもにやらせるか。 イき狂って死ぬかもな?」

「ええっ♡」

「シンデレラったら本当に優しい子ね。 いいわ。 じゃあ、そうしましょう」

姉弟は頷き合い、ルナがダーマの首根っこを引いてズルズルと下の部屋まで運んでいく。

「い、痛っ、痛いわあっ!!」床や階段の障害物に構わずガコガコ引き摺られるので、ダーマは悲鳴をあげていた。

二人がそれに構わず会話を続ける。

「でもシンデレラ、ええと…タマブクロモドキだっけ。 こんな変態さんの恨みを買うような何をしたのよ?」

「ダーマ・メトロドーキ!!」

「何もしてない。 昔、無理矢理ここに連れ込まれて迫ってきて、振り払ったら余計にサカッてきたから逃げた。 ああ、連れの女性は良い女だったな。 その時に俺を助けてくれた。 こいつはその女性のことを恨んでたらしいが、ついでに矛先が俺にも向いたのかな。 ま、コレクションとやらが足りないんだろ」


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