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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第2章 25バンチの訓練コロニー


基地内の食堂で軽く食事を済ませたザックは顔見知りのスタッフたちと談笑を続けていた


始めは日常の中の軽い冗談ばかり言い合っていたが、馴染みの仲間たちばかりでは話すネタも尽きていた


そんなとき医療チームへ所属しているウォレンが今回のシャトル事故の話題を持ち出した


「救助されたカプセルのふたりは親子だったんだけど、親父さんだけ意識が戻ってさぁ、
 すげぇパニックで喚き散らしてタイヘンだったぜ?」


「ああ、それは俺もさっきスージーから聞いたよ、なんか意味不明なことを言ってたとか、なんとかだろ? サメだったか?
 シャトルが宇宙空間でサメに襲われたとか、何とか」


「おお、そうなんだよ、
 でもそれだけじゃねぇよ?
 呪いがどうの、娘にどうのって!」


「ガハハハ!呪いって何だよ!?」


「それがさ、昏睡したままの娘はさぁ、
 顔の皮膚にちょっと問題があったみたいでな、まぁ何かの跡らしいんだけど、
 それを“呪い”と捉えているみたいでさ
 シャトルを襲ってきた“サメ”も“呪い”の使徒のように考えてるようだ
 ありゃあ、だいぶカルトにハマってるな
 あんな親父さんじゃ、娘も可哀想に」


「へぇ、そんな事まで言ってんのか」


「事故に、サメに、悪霊…
 明日には宇宙人も出てくるんじゃないか?」


「祟られてるわりに事故で生き延びてるんだから、福の神でも取り憑いてるんじゃないか」


「それで? 今はどんな様子なんだ?」


「かなり落ち着いてきたようだ
 暴れないし、叫ばない
 でも一貫して“サメに襲われた”だの、
 “祟りのせいだ”とか言ってるな」


「ブラックボックスのほうはどうなんだ?
 航行時の記録が残っているだろ」


「うーん、確かに船体の衝撃はあったようなんだが、映像は無かったな
 おおかた隕石と衝突したんだろうが、
 その記録も証拠も出て来なかったんだ」



「なんだ、証拠も記録も無しなのか?
 じゃあサメも祟りも否定出来ないじゃないか」


食堂で談笑していたスタッフは苦笑いするしかなかった





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