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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第9章 ラスト・バトル


ジムⅢが取り囲む光景をエイミーとケイトは小高い丘の上から様子を伺っていた


「どう?」

ケイトが双眼鏡を覗くエイミーに声をかける

「うーん、攻めあぐねてるカンジね…
 コロニーの中だから大きな武器が使えないんだわ…、これじゃあライフルの狙撃もムリね」


双眼鏡をおろしてケイトのほうを見て、エイミーは声をあげた


「ケイトっ! あんた顔のアザが!?」


すでに顔のほとんどをアザが発症し、首から胸元にかけて侵食していたのだ

ケイトは落ち込む表情を隠せない
泣きそうな少女をエイミーは抱きしめてやった


「逃げてるときから気付いてたの…、わたしの身体がどんどんダメになっているって……」


「ダメじゃない!ダメなんかじゃないよ!」


「わかるのよ、エイミー……、身体しゅうがズキズキして、いつか私耐えられなくなるわ…」


「……そんな」


「いいの、前からわかっていたことだし!
 これが私の運命、助けてもらったけどムダになっちゃうね、ゴメンね、エイミー」


エイミーはさらにケイトを抱締める
こんなか細い身体でこのコも戦ってるんだ、と今さら気付いた


「そんなこと言わないでケイト、
 アンタが居なくなったら私泣くよ?
 ザックはきっと怒るよ?」


「そうね、ザックから怒鳴ってきそう」


ケイトは力無くははは…、と笑った



エイミーはいまだ膠着状態にある戦場のほうを見て、心のなかで叫んでいた


“ザック!ザック!ザック!ザック!
 ケイトが大変だよぉ!”




だが、その叫びはいまだ先に進めないザックには届いていなかった……



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