シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第9章 ラスト・バトル
その頃、25バンチの宇宙港には小型の航宙飛行艇が到着していた
それはサイド1、ブリガドーンコロニーからの荷物を届けにやってきた専用艇だった
港では受領の手続きがされている最中だった
「長旅ご苦労さまでした、お待ちしていましたよ」
税関職員と軍医たちが使者を待ち構えていた
気密宇宙服のまま降りて来た使者は飛行艇のパイロットと2人だけだ
よく見ると使者のほうはまだ若い少女のようだ
職員はふぅん?と不思議に思った
それを察した隣の男性パイロットがフォローする
「こちらの使者は若く見えますが立派な既婚者、成人してるんですよ
ちなみにボクがその配偶者なんですけどね」
職員が「はぁ」と言って男性パイロットのほうを見るが、こちらも顔立ちが幼いアジア系の男だった
妙なフォローをされてしまったので、使者の女性は〈余計な事を言うな〉と言わんばかりに夫の脚を蹴った
「例の荷物は貨物倉庫のAブロックよ、おろしてやってね」
「Bブロックのほうにも何か運んできてらっしゃいますね?」
その問いには男性パイロットのほうが脚を押さえながら答えた
「ええ、モビルスーツみたいなものをね、
きっと必要なんじゃないかな、て思って!」
男性パイロットは少年のような笑顔で答えた
職員が端末の荷物リストデータをスライドさせていく
そこには「ガラクスイ・メテオシュタイン」と記されていた……