シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第9章 ラスト・バトル
ザック機はビームサーベルを抜いた
特に効果的な策があるわけでもなかったが、これ以上街を崩壊させるわけにはいかなかったのだ
少しでもナノスキンコーティングを削ぎ落とせれば、と斬りつける
致命傷までは至らないが、動きを抑制するぐらいなら出来そうだ
だがこれも消耗戦なだけだ
続けてシモンズ機も斬りかかる
そしてジョー機、トゥーブス機と続く
そのたびにサメの反撃を受け、尾びれで誰かがなぎ倒される
「5機も居るのに止められねぇ!」
「いつまでももたないぞッ!?」
「まだ住民の避難は終わってないんだ!
外壁エレベーターも破壊されたままだからな
移動手段が無ぇんだよ」
そんなジムⅢの攻撃の緩みが相手に伝わったかのように、サメは反撃に出てきた
バタバタと土埃をあげ視界を無くさせると、一気にザック機にかぶりついた!
「ザック!」
「抜け出せ!ダンと同じ目に遭うぞッ!!」
「わかってる、けど!」
シモンズ機がサーベルでひと突きするも、ザック機を離そうとはしなかった!
続けてジェームスが抑え込む
マットも引き剥がそうとヒレを掴む
皆が協力して、ザック機をバラバラに振り回そうとするのを阻止するのだが、サメは他の機体に目もくれないのだ
「おい、やべえぞ!?ザック、機体を捨てろ!」
「もう、遅い!ハッチがイカれちまってる」
「ザック!」
「ザック!」
皆が諦めかけたそのとき
コロニーの中心、空の方向から一筋の光りが射し込む
ディスプレイが自動的にその場所にフォーカスして、拡大していく
「飛行機?」
認識コードが読み込まれ、画面に機体名が表示される
メテオシュタイン
誰も聞いたことが無い開発ネームだった
その〈光り〉がサメの身体に正確に命中すると、いままで無傷であったサメの表面がパリパリと結晶化して剥がれていった!
「なんだ、これはッッッ!!??」
抗ナノスキン弾
それがブリガドーンからもたらされた新技術であった……